痛みについて
様々な痛みについて
初めて学んだのは
何十年前のことか?
看護学生のころ
初めて実習で受け持った患者さんは
『痛み』のためにベッドから動けずにいる人でした
実習に行くと
夜勤者からの申し送りで
その患者さんが痛みのために眠れなかったことが
必ずといっていいほど報告されていていました
実習では私の患者さんはその方だけなので
ベッドサイドに行ってお話しを聞かせてもらいました
痛み止めのせいなのか
眠れなかったせいなのか
いつも調子が悪くて眠っていることが多く
傍にいるのも悪い気がしていました
私に出来た事は
何だったんだろうかと悩むほど
何も出来なかった気がしていました
だから、実習のために
痛みに関する事例をたくさん読んで
痛みについて調べることばかりでした
それから2年経った後のことですが
驚いたことに
その痛い痛い入院中に
たった2週間だけでも
いつも傍にいた私のことを
その患者さんはずっと覚えていてくれたのです
2年後に実習で外来を歩いていた時に
その患者さんが
声をかけてくれたのです
しかもストレッチャーに横になったまま移動している時に
よく私だと気がついたと思って
嬉しいやら、驚きやらで
涙が出そうになりました
その時に
身体的な痛みの苦痛には
同時に精神的な痛みもあるということを
よーく理解できたのです
2週間という短い時間ですが
自分のために傍らにいて
何か出来ないかといろいろ考えていた学生が
もしかしたらその患者さんの
精神的な痛みを和らげていたのかもしれません
クロニックイルネスの慢性の痛みの章を読んでいると
その辺りのことが詳しく書いてあり
久しぶりに『痛み』と
じっくりと向き合っていたことのことを思い出しました