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​生活習慣病

COPD

COPDは長年の喫煙習慣によるもので、進行すると日常生活で動けない状態にもなってしまう病気です

肺は生きていくうえで欠かすことのできない呼吸をする器官ですが

もう少し理解することでCOPDという病気を理解しやすくなると思います

​人が生きていくために必要なエネルギーは酸素が不可欠です。肺はガス交換によって酸素を体内に取り入れています。COPDはこのガス交換が上手くいかなくなる病気です。ゆえに進行していくと体はエネルギー不足のために動けなくなっていくのです。

一番の原因である煙草を吸わないことでしょう

大気汚染も原因になるので、身の回りの環境にも気をつける必要があるでしょう

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COPDは煙草の生活習慣病

COPDは煙草の生活習慣病である

COPDは日本語では慢性閉塞性肺疾患と訳されています

原因は長年の喫煙習慣によるもので、

息苦しいために日常生活で動くことも辛くなり

悪化してくると、寝たきり、車椅子での移動という場合もあります

COPDとは元々は肺気腫と慢性気管支炎という2つの病気があって

それぞれに病名をつけていましたが

大多数の患者さんはこの2つの病気が混在していて

病名を分けることが難しくなり

2001年からこの2つの病気がCOPDという病名で呼ばれるようになりました

多くは喫煙により肺の広い範囲にわたり

治りにくい炎症が起こり

放置すると進行していく病気です

20年以上喫煙を続けると発症してきますが

発症するのは喫煙者の約15%といわれています

この病気を理解するために

正常の肺の機能について

COPDになってしまった肺の機能について

​次の項目で説明していきます

C:Chronic=慢性

O:Obstructive=閉塞性

P:Pulmonary=肺の

D:Disease=病気

正常な肺の機能

正常な肺の機能

肺は胸の位置にあります

胸部レントゲン写真を撮った時に

黒く映る左右の一対の影が肺です

真ん中に白く映っているのは心臓の影で

心臓は左寄りにあるので

左肺は右肺よりも、やや小さめです

この肺は肋骨、脊椎、筋肉などに囲まれた

鳥かごのような入れ物である「胸郭」の中にあります

胸郭の下に接するように横隔膜があります

呼吸運動はこの横隔膜が収縮したり、弛んだりすることで行なわれています

横隔膜が収縮すると、横隔膜が下がります

そうすると胸郭が納まっている胸腔内が陰圧となります

このため肺が引っ張られて広がり、空気が肺に入ってきます

この運動が息を吸う運動です

逆に横隔膜が弛むと、横隔膜が上がります

肺は縮むので、空気が外に押し出されていきます

この運動が息を吐く運動です

このように、肺は、それ自体が呼吸運動をしているのではなく

周りの筋肉によって動いているのです

そしてその運動は自動的に調整されています

吸い込んだ空気は

​気管から気管支へ、細気管支へ、

更に肺胞へと入っていきます

この肺胞で酸素が血液中に取り込まれ

血液中の二酸化炭素が肺胞に引き取られ

肺の外に出ていきます

吸った空気は肺の一番奥の肺胞で

ガス交換しているのです

ガス交換で血中に取り込まれた酸素は

エネルギーを作るために必要です

酸素は体の中で貯めておくことができません

​しかし

酸素が無くなると生命を維持することができなくなってしまいます

肺には全身に運ばれる酸素を常に取り入れる

​重大な役割があるのです

また、二酸化炭素を体の外に出すという役割もあります

体の中に二酸化炭素が溜まってくると障害が起きてきます

酸素も二酸化炭素も一定の濃度で調整されていて

少なくても多くても異常が発生してきます

肺が正常に働いているとガス交換も正常にコントロールされています

ここで、CODPの場合はどうか、というところを説明しておきます

COPDでは、肺の広い範囲に炎症が起こっています

この炎症は主に細い気管支と肺胞で起きてきます

細気管支では壁に炎症が起こり

その結果、呼吸をしても伸び縮みしないで、縮んだままになります

肺胞では縮んでいたり、破けてしまったりして

壁が穴ぼこ状態に変形してしまいます

このような変化が起きてくると

呼吸しても充分なガス交換が行なわれず

吸っても吸っても苦しい状態になるのです

エネルギーが足りなくて動くのが辛くなり

酸素不足で苦しい感じが常に続くのです

​肺胞

COPDとはどういう病気なのでしょうか?

肺の病気だけではなく、体も動けなくなる

COPDとはどういう病気なのでしょうか?

COPDは肺の中の、特に細気管支と肺胞に

治りにくい慢性の炎症が起きて

細気管支や肺胞の壁が傷つき

壁の構造が変化してしまいます

それによって空気の通過が障害されます

この変化は煙草の煙をわずかに吸い込んだだけで起こるわけではなく

長い年月、繰り返し煙を吸い続けることで起きてきます

COPDは喫煙者の約15%に発症するといわれています

幼い頃に喘息があった人が

大人になって煙草を吸うようになると

発症しやすいということがあるようです

喫煙以外にも

受動喫煙によって発症のリスクが上がります

また、大気汚染も関係があります

職業的に粉塵を吸い込んでしまうような環境もリスクが上がります

建築現場で粉塵や有害なガス状物質を吸い込むことがあったり

​鉱山や工場でも刺激物を扱う可能性のある人が

長期間、無防備のまま働いていたりすることもリスクを上げます

大気汚染の酷い環境で生まれ育ったり

タクシーの運転手や

有機溶剤を使うクリーニング店で働いていたりすることもリスクを上げます

 

幼児期の頃に繰り返し重い肺炎や気管支炎に罹ったことのある人や

成長期に極端に栄養状態が悪かった人

喘息症状や気道過敏症の人​

男性より女性の方が

リスクを上げる要因になるようです

COPDは最初は風邪のような症状で始まります

「痰がからむ」「咳が出る」などの症状です

しかし、この症状は長引いて治らず

風邪薬をのんでもよくなりません

 

ふつう健康な人は風邪でもなく

ひつこく咳や痰が出ることはありません

この風邪のような症状が続いていて

次には息苦しさを感じるようになってきます

例えば、重い荷物を持ったとき

階段や坂道を上っているとき

少し走っただけで

急に息苦しさを感じるのです

しかし、この息苦しさは安静にしている時には

全く感じません

動いた時にしか息切れしないので

運動不足のせいか、年のせいかなと思うほどです

更に進んでいくと

ちょっと運動量が増えただけでも

息切れを感じるようになります

他の人と一緒に歩いているときに

同じペースで歩くと息切れします

更に進むと

平坦な道でも数分歩くだけで息切れをするようになります

そして次第に日常の動作でも息切れして

動くのがしんどくなり動かなくなっていきます

COPDで息切れが起きるのは

呼吸数が増えたときに起こります

体を動かすにはエネルギーが必要で

そのエネルギーを生み出すために酸素が必要です

普通は無意識に呼吸数を増やして動いていますが

COPDの人は酸素を作るところの肺が変化を起こしていて

上手くガス交換ができないのです

酸素が不足して、エネルギー不足が起きているのです

​だから、動こうとすると息切れを生じるのです

COPDで息切れが起きるのは

呼吸数が増えた時に

「動的過膨張」という現象が起きていることがわかってきました

「動的過膨張」とは

呼吸数を増やした時に

これに応じて息を十分に吐き出すことが

うまくできなくなり

息苦しさがだんだんと強く自覚され

肺が膨らみ過ぎになり

十分に吐けないので

次に吸うことができなくなってしまうのです

このようなことで息苦しさを度々自覚していくうちに

「苦しいから動きたくない」となり

行動範囲が狭くなり

​動けなくなっていくのです

COPDにならないために気をつけることは?

COPDにならないために気をつけることは?

一番の原因である煙草を吸わないことが一番の予防になるでしょう

大気汚染も原因の一つです

防護手段を確実に行なうことと

風邪や気管支炎など

肺に影響する病気の時には

油断せずに病院を受診することも大切です

繰り返し気管支炎や肺炎になることも原因となるので

風邪を引きやすい人は

風邪にかかりにくい体力作りに取り組むとか

風邪が悪化する前に治すようにすることも大事です

知らないうちに発病し

重症化してしまうことが恐い病気なので

COPDという病気をよく知っておくことも

大事なことなのかもしれません

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